乳幼児期後期(3~6歳)で注目したい4つの敏感期

3歳ごろまでの乳幼児期前期には「無意識的記憶」で全ての情報を、見たまま・聞いたままそのままのカタチで吸収してきました。3歳ごろになると、インプットしてきた莫大な量の情報を「意識的記憶」を使って整理する段階になります。この頃の子どもは、「はっきりと」整理したい欲求でいっぱいです。よく、保育園の先生で3歳児が一番おもしろいという声を聞きます。知性が芽生える「敏感期後期」始まりの学年ですね。

感覚の敏感期(3~6歳)

「いっしょだねー!」という言葉が代表するように、情報を「同じもの」と認識できることから始まります。感覚の敏感期には3つの段階があります。

  • 第一段階「同一性」
  • 第二段階「比較」
  • 第三段階「分類」

これらを、五感(視覚・触覚・聴覚・味覚・嗅覚)を駆使して認識していきます。なかでも中心となるのが視覚であり、できるだけ実体・本物を見せてあげることが大切です。

書く敏感期(3歳半~4歳半)

「書きたい」という衝動にあわせて環境を整えます。持ち方も後から直すのはとても大変なので、この時期に整えたいところ。

「読む」よりも「書く」ほうが先に来ることを指摘したモンテッソーリ。この時期は運動の敏感期でもあるため、指を動かしたい、という衝動が後押ししていると考えられます。幼稚園へ入園したばかりの3歳児は、まもなくお手紙ブームがきます。ぐるぐると丸と線とシールと…文字を書きたいという衝動の始まりです。

文字に興味を持ったら気を付けたいのが、書き順です。平仮名だったらいつでも直せるのでは?と思いたくなりますが、そうではありません。秩序の敏感期でもある時期なので、間違った秩序のインプットは修正に大きな労力を使うことになります。

読む敏感期(4歳半~5歳半)

文字のフォルムがそれぞれあることに気が付き、その発音を覚えると「読みたい」衝動にかられます。スーパーでもどこでも、知っている文字を見つけると「『さ』『ん』『ま』」と大きな声で伝えてくれますね。「さ」と「ち」を間違えて「ちんまー!」と叫んだりも。間違えても「そうだね。さんまだね」と否定せずに正しい読み方を教えてあげると良いでしょう。

この時は、広げて興味のあるページだけ見てすぐ閉じました。まだ敏感期ではないということですね。

また、書く敏感期もそうですが、敏感期ではない子どもに文字を詰め込もうとするのは得策ではありません。閉じている扉をむりやりこじ開けても、敏感期のスポンジとは質が異なることを知っておくと良いでしょう。

数の敏感期(4~6歳)

とにかく数えたがる時期がありますよね。それが「数の敏感期」です。敏感期の中でも遅めの4歳前後にやってきます。字がかけるのだからと、数も正しく教えたくなりますが、数の敏感期はもう少し先。数を言えることと、数を理解することは一緒ではないので、こどもの段階にあわせて焦らないことが大切です。

子どもが数を数えだしたら、必ず実物と結び付けて数えるようにしましょう。間違えても否定したり教え込まないことが大切です。一緒に数えていくうちに数字と実物が紐づいていくようになります。

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