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秩序の敏感期とは（0～4歳）

大人にとっては何気ないことでも、子どもが全身全霊で興味関心を示すのが「習慣・順序・場所」などの「秩序の敏感期」です。生まれてからすぐに始まる秩序の学びですが、ピークとなるのが2歳半～3歳と言われており、それまでにインプットしてきた秩序がいよいよ自分のものとなる大切な期間です。毎日忙しくしている親にとって、子どもが示す秩序へのこだわりは時間がかかるものも多く、つい「どっちでもいいでしょ！」と言って大泣き…なんてことも。敏感期は100％でそれを伸ばしている時期。今しかない学びの瞬間を丁寧に過ごすことで次のステップへスムーズに移行することができるのです。

しかしやっかいなのがイヤイヤ期と重なっているということ。秩序の乱れでもイヤイヤでも子どもはグズりますね。では、秩序の学びの環境が整えばどうでしょうか。どんな秩序が大切なのか知っておくと、環境を整えやすくなります。

知っておきたい秩序への強いこだわり１｜習慣

いつもの横断歩道。子どもは手を挙げて自分で歩いて渡ります。でも急いでいたその日は抱っこしてダッシュ…その瞬間子どもは腕をふりほどいて戻ろうとします。危ないからとつかまって大泣き…そのあとはその場で大の字。まったく動かないで結局時間だけが過ぎていく…なんていう経験がある方も多いのではないでしょうか。それは習慣への強いこだわりがみせているもの。これまでインプットしてきた「いつもと同じ」ことを自分の中に吸収するにあたり繰り返し、社会の秩序を学んでいる時期なんですね。つまり、逆にいうとこの時期に「いつもと同じ」ができない場合は注意が必要で、できるだけルーティーンに入れないようにしたり、子どもの意思を確認するなどのワンクッションが大切になってくるということになります。

知っておきたい秩序への強いこだわり２｜順序

朝のお着換えの時間はどうでしょうか。順序などあえて気にしているわけではないものの、親も着替えさせやすい方法で同じ手順になったりしますね。それが定番となると、秩序の学びになります。するといつもと手順のちがう靴下から履かせてしまったらどうでしょうか。「違う違う、嫌だ嫌だ」のスタートが見えるようです。この場合はイヤイヤ期の「嫌」ではなく秩序の乱れからくるものだということがわかるのではないでしょうか。

知っておきたい秩序への強いこだわり３｜場所

食卓の、パパの席・ママの席・自分の席。そこに違う人が座ったら？「ココ！ココ！」と指をさして席が違うとアピールすることがあります。場所への強いこだわりを示し「いつもと同じ場所」の認識を通して秩序を学んでいる瞬間です。もし、違う席に座る必要がある場合には、子どもに「座ってもいいかな？」と優しく確認してみるようにすると良いでしょう。それでもこだわりが強いことがあります。その時には、まずは受け止めて、別の方法や別の場所も視野に入れて環境を整えるようにしたいものです。

このように、秩序の敏感期にはは大きく3つあり、該当する場合には理由があるので原因を作らなければグズりに至ることなく過ごすことができるわけです。急いでいるときこそ慎重に、「いつもと違う」時は子どもに確認するなどが必要です。

知っておきたいもう一つのグズり「自分でやりたい」

秩序の敏感期にあるグズりで知っておきたいのが、「自分でやりたい」欲求に対して、大人がやってあげてしまったときについてです。秩序を学んでいるときは特に自分でやりたいことが多く、それを良かれと手助けされると心が乱れます。大人の都合で手を貸すことは良い事ではないんですね。神様からの宿題の最中かもしれません。自分で靴を履きたいという子、忙しい朝に親からしたら大変なことです。でも手を貸してしまったらどうでしょうか。宿題のチャンスを逃すだけでなく、グズりで時間が…自転車に乗せても大暴れ…なんてこともありますね。親の言うことを聞いてほしいという大人の目線ではなく、子どもが成長している瞬間だと捉えると、その時間の過ごし方も変わってくるかもしれませんね。

知っておきたい「イヤイヤ期」のグズり

「秩序」や「自分でやりたい」が乱れたことが原因でない場合のグズりでは、いよいよイヤイヤ期のグズりだと判別しやすくなります。

イヤイヤ期は言語が理解できるようになり、意思がでてくることで自分の希望がどこまで通用するのか試している時期であると考えられます。なんでもイヤイヤと言ってみるといった具合で、通る希望とそうでない希望から秩序を学んでいきます。この時期、お父さんとお母さんなど家族間でルールが違ったりすると秩序が乱れてしまうので注意しましょう。毎日のイヤイヤに「こっちが嫌だわ」など思うこともあるでしょう。イヤイヤ期にも終わりが来るので、「秩序を学んでいるんだな」と寄り添いつつ、過ぎるのを待つというのも一つです。