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乳幼児期前期で注目したい4つの敏感期
Tags:乳幼児期前期,小さいもの,敏感期,秩序,言語,運動
モンテッソーリ教育では0~6歳までに80%の敏感期が集中しており、乳幼児期における敏感期は3歳を境に子どもの成長にも大きな変化があるとしています。前期である0~3歳での注目したい4つの敏感期について見ていきましょう。前期と後期での成長の違いを知ることは、年齢にあった子どもへの関わり方を考えるヒントにもなります。
①運動の敏感期
身体の動きを成長させる時期です。100%の力を出して身体を動かそうとするのは人生の中でもこの「運動の敏感期」のみなので、その時の子どもの行動を単なるいたずらとしてやめさせてしまうのか、重要性を理解して寄り添うのかで結果は変わってきます。
0~3歳ごろまでは、歩く・座る・立つ・見るなどの基本的な動作に対する欲求が強く現れます。
3~6歳ごろには、それまでに獲得した動きをスムーズにしたり、発展・調整していくことに関心が向かいます。
大切なのは、早くできれば良いというわけではないということ。次の段階へスムーズに進むためには、その前段階がいかに充実していたかが影響するためです。
②言語の敏感期
言葉に対して、感受性が高まる時期です。言語の敏感期は胎児7か月ごろから、お腹の中で親の声をきくことから始まり、6歳ごろに終わりを迎えます。
胎児7か月ごろ~3歳半ごろが言葉の敏感期
3歳半~5歳半ごろが文字の敏感期と言われています
また、言語の獲得ステップを理解しているとスムーズに定着しやすくなります。
1.見たことがある
2.見たことがあって、名前を知っている
3.見たことがあって、名前を知っていて、言える(発語)
発語は難しく、幼児期の子どもにとっては知っていてもできないもの。例えば「ぶどう」。見たことがあるから知っているだろうと、子どもに「これ何?」と試したり、急いで言わせる必要はありません。子どもの獲得段階にあわせて、その段階にくるのを待つことが大切です。子どもはインプットが済むと自然と「言語の爆発期」が訪れるのです。
③秩序の敏感期
大人にとっては「そんなことが?」というものが多く、もっともわかりにくいのが「秩序の敏感期」で、0~4歳ごろと言われています。この頃、世の中の仕組みや場所、順番など「秩序」をつけて学び、2歳半~3歳をピークとしてそれまでよりも「いつもの」「場所・方法・時間・順番」に強くこだわる時期となります。
この時期は、大泣きしてる2~3歳の子と困り顔の大人をみかけることがあります。
大泣きの原因は
1.「習慣」「順序」「場所」に対する秩序の乱れ
2.自分でやりたかった
であることが多く、その場合秩序が正されるとケロっと元通りに。イヤイヤ期でもあるこの時期は見分けるのも一苦労ですね。1.2を理解することで全てを「イヤイヤ期のせい」に収める必要もなくなり、逆に秩序を学んでいる最中と捉えることができます。
④小さいものへの敏感期
生まれたばかりの赤ちゃんは、目があまり見えません。成長とともにピントを合わせて「見る」訓練をします。そうしていく中で、小さくて動くものをくっきりと見て捉えることができた時に「できた」という達成感が育ちます。「運動の敏感期」でもあるこの時期は、この小さなものを指でつまむこともできるようにると「見て見て」と、見せにくるのです。大量のダンゴムシを…というのはよく聞く話ですね。