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言語の敏感期とは(7か月~5歳半)
言語の敏感期は胎児7か月ごろ~6歳ごろと言われています。特に3歳ごろまでは無意識的記憶で見たり聞いたりした情報をそのまま無意識にインプットする時期となります。この時期はアウトプット(発語)には至らないことがほとんどなので、大人はリアクションの無さから語り掛けを無意味と考えることもありますが、そうではなくひらすらに吸収している時期と考えると納得もいくのではないでしょうか。適した時期に正しい言葉を豊富にインプットできることは、その後の成長に大きく影響していくのです。逆にインプットが少ないとどうでしょうか。アウトプットの材料になるものが限られてしまうというわけです。
子どものリアクションのあるなしに関わらず、語り掛けは次のステップにスムーズに進む大事な工程の一つということですね。
子どもによる発語の時期の違い
ところで、発語の時期は子どもによって様々なので身近におしゃべりが上手な子がいるとうちの子は遅いかなと気になることがあります。でもそれはインプットできる入れ物が大きいからかもしれません。入れ物が溢れるまで美しい言葉を入れてあげて、その子のタイミングで発語するのを待つというのが基本的なスタンスになります。
子どもの言い間違いの直し方
子どもは赤ちゃんの頃から真似をして成長していきます。言葉もそうですね。小さな子が「なつかしい~」などというと笑ってしまいそうになりますが、そういった一つ一つの積み重ねなので、美しい言葉かけをたくさんしていきましょう。「出来た!」を「でちた!」など、幼児期はサ行やタ行など筋肉が未発達で言いにくい言葉もあります。可愛いので大人としてもつい真似したくなりますが、正しい言葉で返してあげるようにしましょう。その際に「違う」とは言わずに、「そうだね、できたね」と、肯定しながらも正しく返してあげることが大切です。
言語の定着の3つのステップ
言語を獲得するステップを3段階に分けて考えます。
1.見たことがある
2.見たことがあって、名前を知っている
3.見たことがあって、名前を知っていて、言える(発語)
「見て」「名前を伝える」を繰り返すと、言語が定着していきます。しかし、すぐに発語できるわけではありませんね。知っているけれども「んー」となることも多くあります。大人は希望的にすぐ試したくなりますが、それは大人の都合。子どもが発語するタイミングを待ちましょう。1.2のインプットをたくさんしてあげて、そろそろかな?というころに初めて3にチャレンジするくらいのタイミングでも遅くありません。
インプットの方法
インプットの方法は、「1」の「これは、バナナだよ」とか、「バナナをどうぞ」と教えることから始まり、「2」の「バナナちょうだい?」とか「バナナはどれかな?」と選んでもらうというステップがあります。1.2を同時期に行うのではなく、1の「バナナを認識したかな」という頃に、2の「バナナをとってもらう」という手順であればわからないことを聞かれて子どものプライドを傷つける(つまらないと感じてしまう)ということもなく、達成感・満足感を得られ、もっともっとというサイクルができ言語が定着しやすくなります。インプットが十分に済んだら3の発語へと移行するという流れになります。
このようにインプットを繰り返していくと3歳ごろから訪れるのが「言語の爆発期」です。
あれだけ子どものおしゃべりを心待ちにしていたはずなのに、連日の「これなーに?」の連続に「なんだろね」なんて返してしまいたくなるあの時期がやってきます。