乳幼児期の前期と後期で大きく変わる「記憶のメカニズム」

神様は0歳〜3歳、3歳〜6歳の子どもの間に、赤い線を引いたがごとくお分けになった

マリア・モンテッソーリ

乳幼児期はさらに前期と後期に分けることができます。3歳を境に成長の仕方が大きく変わるのです。子育てを経験された方は感覚的に理解しているかもしれません。それを体系的に知ることで、より環境を整えることが可能になります。モンテッソーリが唱えた医学、生物学、心理学といった、経験ではなく根拠に基づいた理論は、正解がないと言われる子育ての指標になるでしょう。

「記憶のメカニズム」

前期(0~3歳)「無意識的記憶」
後期(3~6歳)「意識的記憶」

私たち大人の記憶にあるのはだいたい3歳ごろからではないでしょうか?それは、3歳ごろまでは「無意識的記憶」がメインの記憶方法だからなのです。では「無意識的記憶」とはどういうものなのでしょうか?

乳幼児期の前期と後期では記憶の仕方が大きく異なります。「無意識的記憶」というのは、この0~3歳の間に顕著に見られる記憶の方法で、見たシーンをそのまま写真を撮ったかのように記憶することができる素晴らしい力です。

その瞬間的な記憶だけでなく、目にしたものや耳にしたもの全てを無意識に記憶していきます。だからこそ、難しいと言われている日本語という言語もスムーズに獲得できたりするわけです。この時期はスポンジのようにどんどん吸収する時期なので、できるだけ本物に触れると良いとされています。

無意識的記憶における注意点

ここで注意したいのが、無意識なので「善悪の判断がない」ということです。よく子どもが大人びたことを言って、「はっ」とすることがありますね。大人の発した言葉を、善悪の判断なくそのまま吸収している証拠です。こういったことからも「無意識的記憶」の時期には、親は言葉使いや出会うもの、見るものなど、子どもをとりまく環境を整えることが大切なのです。

この「無意識的記憶」は、3歳でぱったりとなくなるというわけではありません。0歳がMAXで、6歳に向けて徐々に「意識的記憶」に移行します。3歳が丁度半分あたりにあり、割合が変わっていきます。

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