子どもの発達の四段階②〜④について

発達の第一段階である0~6歳の乳幼児期は、感覚や運動の土台をつくる「敏感期」であり、四段階の中で最も変化が激しく大切な時期ということがわかりました。続いて第二・三・四段階についても見ていきましょう。

②児童期(6〜12歳)

第一段階に充実した乳幼児期を過ごすことができると、児童期のこどもの成長はなだらかになります。知的欲求が高まり、「莫大な記憶が可能となる時期」で、かつ「この時期に覚えたことは半永久的に忘れない」というのもまた特徴です。友人との関わりも高まり、実体験を通して社会のルールを学び世界が広がる時期でもあるので、より多くのことを経験させると良いでしょう。

③思春期(12〜18歳)

安定していた児童期とは変わって、また変化の激しい時期になります。心身ともに大人に向かって大きく変化する時期で、自分自身に意識が向き他人からどうみられているかを気にするようになります。幼児期の充足度がこの時期に影響すると言われており、満たされなかった場合にはエネルギーの向け先が好ましくない方向に向くなど、幼児期と思春期の関連性を指摘しています。世界が広がることで親以外の影響力が大きくなる時期なので、ボランティアや社会貢献を通して社会を学ぶことを推奨しています。

④青年期(18〜24歳)

この時期はまた安定期に入ります。意識はふたたび外に向き、社会に対しどのような貢献ができるか考えることで自分の将来や職業について考え自立していきます。そして知識を高めたりスキルを磨きながら自分の人生を歩いていきます。

4つの段階はつながっている

それぞれの段階は独立したものではなく、連続した一人の成長の過程です。それぞれの時期における特徴を理解することで、子どもの成長に気付き、自立に向けた援助が親としてしやすくなるのではないでしょうか。

マリア・モンテッソーリが例えた子どもの変容

モンテッソーリは4つの段階は変容期と安定期の繰り返しとし、綺麗な蝶になるまでの成長に例えました。

子どもは年齢ごとに大きく変容しているのです。それは、あたかも、蝶が卵で生まれ、青虫になり、さなぎになり、そしてあの美しい蝶に羽化していくごとくです。

マリア・モンテッソーリ

何度か出てくる「変容」ですが、あまり聞き慣れない言葉ですね。モンテッソーリ教育について調べていると「変容」という言葉を目にします。「変容」は、外面的な変化についてだけでなく内部が変わった結果外に現れた様子が変わったこと、と考えるとより理解しやすくなります。この変容期は成長や変化が激しい時期なので、親はよく注意したい時期でもあります。

よく注意するにあたっては、この「子どもの発達の四段階」を子育ての一つの指標として知っておくことが助けになるでしょう。適時教育によって子供の自立を援助でき、親も安心して良いところを知り、乗り切るべき難しい局面に備えることができるというわけです。