モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育とは、子どもたちが生まれながらにして様々な事柄を吸収し成長することに注目し、自発的に学び始めるための環境とやり方を教えてあげることで自分を育てる力を存分に発揮させ、自立と自律を促す教育法です。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育が促す"自立" と "自律" とは

自立とは「他に頼らず独り立ちすること」、自律とは「自分の立てた規律に従って行動すること」です。おとなびた状態ですが、この「じりつ」は突然できるものではありません。子どもの「成長したい!」という時期にこそ、大人が援助し適切に関わることで、この「じりつ」をより促すことができるのです。

この「成長したい時期」に、何に興味を示し、どんな行動をし、どんな成長を遂げるのか。事前に分かっていれば大人はより良い環境を用意し援助することができます。

成長したい時期に親ができることは良い環境を用意し援助すること

このモンテッソーリ教育の創始者はイタリア初の女性医師マリア・モンテッソーリです。それまでの教育法が、多くの子育て経験をもとにしており「子どもは何もできない存在なのだから、親や教師の言うとおりにすべきだ」というのが定説だった時代に、モンテッソーリは学問を土台として新たな教育法を提唱しました。

子どもはすべてのことができるように生まれてくるのです。もし、出来ないことがあるとすれば、物理的に不可能な環境にあるか、どうすればいいのか、やり方が分からないだけなのです。

マリア・モンテッソーリ

子どもがいすに座ろうとしても、自分一人では出来ず、大人にいすの上に乗せてもらうしかない、という考えの時代に、マリア・モンテッソーリは子どもサイズのイスを用意し自分でできるように環境を整えたのです。

大人が解決できる、子どもの "物理的に不可能な環境"

この「大人のいす」というのはまさに「物理的に不可能な環境」であったと言えますね。子どもができなくて癇癪を起こすことはよくあることです。何をしたいのか、どうしたら本人ができる「可能な環境」にすることができるのか、そういったことを考えてあげるのも解決策になります。

大人が思っている以上に子供はやり方が分からない

そして「やり方が分からないだけ」というのまた環境を整えることの一つ。子どもにクレヨンと画用紙を渡してお絵かきを促したことがあっても「このクレヨンを手に持って、この紙に、こうやって押しつけて引くと色がつくよ。終わったらこの溝にクレヨンを戻すよ」と丁寧に教えることは少ないでしょう。何も知らずにクレヨンを手に入れた子どもは色がつくことが楽しくなって、机や壁や床などいろんなところに描きだしてしまい、ダメでしょ!と取り上げられて大泣き、なんてことも。子どもが「やりたい、知りたい」というとき、話を聞く態勢でいるときに、理解できることが揃っていれば、画用紙も上手に使いこなすことができます。描くところが無くなったら新しいのを渡すね、と事前に伝えておくというのも環境づくりになります。

あわせて意識したい「敏感期」

また、幼児期には「小さいものへの敏感期」というものがあり、例えばダンゴムシを見つけた子どもが手にのせ見せてくる行動においても素晴らしい子どもの成長を知ることができます。

この時期の子どもは、小さいもの、微細なものに焦点を合わせてみたいという衝動があります。まだお腹の中にいる頃からたくさんの機能を働かせる練習をしていますが「見る」というトレーニングだけはお腹の中ではできません。生まれてきてから一生懸命「見る」のです。ダンゴムシという小さくて細かく動くものに焦点を合わせてくっきり見えたとき「みえた!」とドーパミンが溢れ、ちいさなダンゴムシを3本の指でつまめると「できた!」という喜びと自信になり、大人に見せに来るのです。

敏感期に注目した子どもへの寄り添い方で力を引き出す

ダンゴムシを戻す際にも、「虫さんバイバイだよー」と言うだけでなく「よく見えたね」「うまくつまめたね」と、子どもが興味をもっていることや挑戦したことに寄り添い、ベストなタイミングで認めてあげることで子どもの力を伸ばすことができます。

こういった、子どもの成長に合わせた特性を知ることで、子どもを見守り、子どもの本当の力を引き出すことができるのがモンテッソーリ教育です。

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